大型バイクの教習の中でも、特にスラロームと一本橋は、多くのライダーにとって大きな挑戦です。
この記事では、これらの教習課題を克服するための具体的なコツや体験談を紹介しています。
スラロームのリズミカルなアクセル操作や、一本橋の正しい姿勢とスピードのコントロール方法など、初心者ライダーが押さえるべきポイントを分かりやすく解説します。この記事を読むことで、実際の教習に臨む際の不安を軽減し、スムーズな教習の手助けとなるでしょう。
スラロームと一本橋、落ちないためのコツとは?
大型バイクの運転には独特の技術が要求されます。特に教習所でのスラロームや一本橋(平均台)は、初心者にとって難関です。YouTube動画などで予習しても、実際の運転は想像以上に難しいものです。今回は、スラロームと一本橋をスムーズに走るためのポイントをご紹介します。これらを押さえれば、走行が格段に楽になります。
大型バイクの技能教習1時限を受けた翌日、私はベッドから起き上がるのも一苦労でした。股関節や太ももが筋肉痛に襲われていたのです。
前日の1時限目では、緊張の中で何度もバイクに跨ったことが筋肉痛の原因でした。54歳という年齢を感じつつも、教習には前向きに取り組む決意を固めました。
2時限目は、スラロームと一本橋の教習でした。
まずは、教習1時限目の復習からスタート。教習所のコースを一周し、直線道路では3速で35km/hまで加速し、短い直線では2速で走行しました。
その後、バイク専用コースで1速を使っての大きな八の字走行にチャレンジ。教官はスムーズにバイクを左右に傾けながら美しい八の字を描きますが、私の場合はバイクの重さに圧倒され、十分に傾けることができずに大回りになってしまいました。また、走行中に「カクカク」とノッキング風の動きが出てしまい、かなり恥ずかしい走りとなってしまいました。
誰かに見られていると思うと(実際は誰も見てないのですが・・)緊張してしまい、身体が硬くなり、余計にギクシャクし冷や汗をかいてしまいます。八の字走行を3〜4回繰り返した後、教官から「次はスラロームに挑戦しましょう」と指示がありました。
スラローム成功の秘訣:リズム感のあるアクセル操作
大型バイクにおけるスラロームの技術は、繊細なアクセル操作にあります。私もYouTubeでの事前学習を通じて、理論上のコツは把握していました。視線を先に投げ、バイクを傾けた後、パイロンを抜けるタイミングでアクセルを煽って車体を起こす、この一連の流れが重要です。まさに、アクセル操作のリズムがスラロームの鍵を握っているのです。
しかし、実際にスラロームに挑戦してみると、事前の学習とはうって変わって難しさを実感しました。走り出すと、目の前のパイロンを避けることだけで精一杯になり、アクセルを開けるタイミングを計る余裕は皆無でした。ゆっくりとパイロンを避けることしかできず、リズミカルなアクセル操作にはほど遠い状態でした。スラロームでは2速ギアを使用するため、アクセルを踏まなくても速度が出やすいことが、さらなる難しさを加えていました。コースの後半になると、リアブレーキを使わないとパイロンを曲がることができないほどになります。
何度も練習を重ねましたが、アクセルを開けるタイミングがつかめず、初挑戦のスラロームは思うように進まない苦戦の連続でした。リズミカルにアクセルを開けて車体を起こすことができず、一時は(俺にはスラロームは無理かもしれない・・どうしよう・・)と思うほどでした。
初挑戦の一本橋、思わぬ落下
教習の次のステージは、「一本橋」でした。教官からの指示は、スラロームの後、速いスピードで2速ギアのまま一本橋を落ちないように渡ること。一本橋は大型二輪免許の教習で特に難しいとされ「鬼門」とまで言われています。しかし私は、若い頃(30年前の20歳の頃ですが)にモトクロスやトライアルの真似事をしていました。バランスを取る経験していた私は自信満々でした。2速のまま平均台を何度か渡り、思った通りに順調でした。
次に教官は、「ローギアで一本橋を渡ってください」とアナウンスしました。2速から1速にギアを落とし、停まらずに一本橋に向かいます。この時も問題なく渡ることができました。
しかし、教官の次の指示は「一本橋の前で一時停止し、ゆっくりローギアで渡ってください」というものでした。これまでの成功により余裕を感じていた私は、2速から1速にシフトダウンし、停止線で止まりました。教官の指示を聞き、ゆっくりとスタート。しかし、クラッチを繋いでふらつきながら進むと、あっけなく一本橋から落ちてしまいました。
一本橋からの落下は、信じられないほど恥ずかしい経験でした。自信を持っていたにもかかわらず、予想外の結果に茫然とするしかありませんでした。まさかトライアル経験のある(真似事レベルですが)自分が一本橋を落ちるとは思っていなかったのです。
一本橋を渡るコツ:初心者ライダー向けガイド
一本橋での失敗を経験した後、再び挑戦する時の緊張は、これまでにないほどでした。
1速ギアにして停止し、半クラッチでゆっくりスタートするも、橋の中央でフラフラし、結局また落下してしまいます。(なんか、おかしい、こんなはずでは・・)この時点で、一本橋自体が傾いているのでは、橋の平坦さえ疑い始めました。完全に自分を過信しています。
しかし、教官が丁寧にアドバイスをしてくれました。一本橋での成功には適切な姿勢が重要で、以下の点を指摘されました。
乗車姿勢:シートの前方に座り、少し猫背で前屈みになり、腕は下げてリラックスする。オートバイのタンクに抱きつくようなイメージで、膝でしっかりグリップ。
アクセル操作:エンジン音がうるさいくらいの高回転のまま半クラッチを維持し、アクセルは常に開けた状態を保つ。エンジンが高回転になっているほうが車体が安定するようです。コマみたいな原理なのでしょう。
スピード制御:半クラッチを使い、スピードを調整する。
バランス維持:ハンドルを素早く左右に切ってバランスを取る。上半身でのバランス調整は避ける。身体でバランスを取れるのは、軽量なバイクだけです。大型バイクでは無理です。(私は、これで失敗しました。上半身を左右に振ってバランスを取ろうとしたのですが、全然できません。大型バイクでは、ハンドルを細かく左右に切ってバランスを取るしかありません。
スタート時の速度:最初は速めに一本橋に乗り、バランスが取れて車体が落ち着いてから、足でブレーキを踏み、スピードを落としてゆっくり進む。橋の中央過ぎからゆっくり走れば、クリアーできます。
これらのアドバイスを活かして何度かチャレンジしましたが、この日の成功率は3割程度です。一本橋で落ちたことによる精神的な動揺かもしれません。
3割は、野球で言えば良い打率ですが、大型二輪免許の検定では一本橋からの落下で、即、不合格。やはり一本橋は難関であることを実感しました。