大型バイクの教習では、波状路は避けては通れない挑戦です。
この記事では、波状路での走行時に直面する問題や、エンジンがストールする原因、そしてこれらをどう克服するかについて詳しく解説しています。
この記事を読むことで、波状路をスムーズに走行するための具体的なテクニックやコツを学べます。特に初心者や苦手意識を持つライダーにとって、この記事は大型バイクの操作スキルを高めるための貴重なガイドとなるでしょう。
波状路は、一見するとただの凸凹路ですが、この波状路には大型バイク独特の挑戦が隠されています。平坦な道では大型バイクの豊かなトルクが魅力的ですが、波状路ではそのトルクが思うように働かず、ライダーを悩ませます。波状路ではアクセルを「ブンブン」と煽りつつ、段差を越えるタイミングで上手に半クラッチを使う技術が求められます。これが意外にも難しいのです。私自身も、波状路でエンジンが止まってしまった経験があります。
朝早くの教習所はまるでプライベートレッスン
教習3時限目は、朝一番に行われました。この時間帯は他の人がいないので、教習所のバイク専用コースがほぼ私一人のものになりました。教官は「今日は1人だけだから、好きに走っていいよ」と言ってくれ、それがとても心強かったです。
教官からは教習の後半で波状路を走ることが告げられました。波状路は、長さ10m、幅70センチのデコボコした道です。私は30年前にトライアルの真似事をしていた経験もあり、このような道は得意だと自負していました。
教習の前半は、これまでの復習でした。八の字走行やスラローム、一本橋、S字、クランクなどを数回走り、その後いよいよ波状路の練習に取り組みました。
波状路挑戦時の意外なハプニング:エンジンストール
波状路とは、厚みのある金属製の長いハシゴ(長さ10m、幅70センチほど)が道路に置かれているようなものです。この道には約6cmの高さの金属製の段差が9か所あります。大型バイクでこれらの段差を一つ一つ乗り越えていくのです。操作は1速ギアで行い、ライダーはバイクのステップに立ち、腕や脚を使って衝撃を吸収しながら進みます。
波状路を走る際のポイントは、スピードのコントロールです。速すぎても遅すぎてもいけません。理想は約5秒で波状路を通過します。そのためには半クラッチを駆使し、エンジンの回転数を上げながら進む必要があります。
私が初めて波状路に挑戦した時、大型バイクのトルクを過信し、アクセルを開けるのが遅くなり、結果としてエンジンがストールしてしまいました。なんとも恥ずかしい失敗でした。
たとえ750ccの大型バイクでも、波状路ではそのトルクをフルに活用できません。冷静に考えればわかるのですが、大型バイクの車重では、段差を超えるのは容易ではないのです。そこで私は次回から、エンジンを積極的に回すよう心掛けることにしました。
この経験は、過去のF1レースの一幕を思い出します。かつてアラン・プロストがピットインした際、エンジントラブルによりストールし、順位を落としたことがありました。プロストは次のピットインの際、タイヤ交換中にエンジンが止まらないよう、まるで若葉マークの初心者のようにエンジンを空回ししていたのを覚えています。
F1のトップレーサーであってもエンジンストールは起こり得るのです。そう自分に言い聞かせ、恥ずかしさを振り払おうとしました。次回の波状路では、大げさにアクセルを煽ろうと決心しました。
波状路の攻略:テクニックとコツ
波状路の走り方は、次のような手順でマスターしました。
まず、最初にギアを1速のローギアにします。波状路に近づく前から、エンジンの回転数を上げます。まるで昔の暴走族が、アクセルをブンブンと煽るイメージです。
波状路に差し掛かる直前にはスタンディングの姿勢を取ります。膝を曲げて中腰になり、バイクのステップに立ちます。波状路に入った瞬間から、半クラッチでエンジン音に注意を払います。回転数が下がったと感じたら、即座にアクセルを煽り、半クラッチでスピードを調整します。高い回転数を維持しつつ、半クラッチの状態で後輪に動力を伝えるのがポイントです。
波状路を走る際には、常にアクセルを煽る感覚で(ブンブン回すように)進みます。回転数が落ちないように高回転を保ちつつ、半クラッチで一段一段の段差に動力を伝えて乗り越えていきます。段差を登る際に、半クラッチを使ってしっかりとグリップする感覚です。波状路を攻略するコツは、アクセルをブンブンと煽ることにあります。少し大げさに思えるほどアクセルを開けましょう。
この方法で、比較的容易に波状路をクリアすることができました。しかし、最初の教習で波状路に入った瞬間にエンジンがストールした時は、とても恥ずかしく、若い頃の経験を否定され、かなりショックを受けました。大型バイクは、平坦な道では十分なトルクを発揮しますが、波状路ではそのトルクが消えてしまいます。