ハーレーダビッドソンといえば、重厚なアメリカンバイクを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、そんなハーレーが新たな層に向けて送り出したのが、注目のミドルクラスモデル「X350」と「X500」です。2023年に登場したこれらのモデルは、従来のイメージを覆すコンパクトな車体と、扱いやすい水冷2気筒エンジンを搭載し、初めてハーレーに乗る方や都市部での取り回しを重視するライダーに向けて設計されています。
この記事では、X350とX500のスペックやデザインの違い、走行性能やライディングフィール、維持費やカスタム性に至るまでを徹底的に比較し、どちらのモデルがあなたに最適なのかを分かりやすくご紹介します。また、「Xシリーズが中国生産って本当?」「アメリカ製との違いは?」といった疑問にもお答えします。
普通二輪免許で乗れるX350か、それともツーリング性能が高いX500か──。迷っている方にこそ読んでほしい、リアルな情報満載でお届けします。あなたにぴったりのハーレーを、一緒に見つけていきましょう。
【新時代の幕開け】ハーレーダビッドソンX350・X500誕生の背景とは?
ハーレーダビッドソンといえば、大排気量のクルーザーモデルを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、近年のバイク市場の変化に対応するため、同社は新たな一歩を踏み出しました。
2023年9月、ハーレーダビッドソンは日本市場向けに「X350」と「X500」の2モデルを発表しました。これらは、同社の中期成長計画「More Roads to Harley-Davidson」の一環として開発された世界戦略モデルであり、若年層や初心者ライダー、都市部での利用を重視するユーザーをターゲットとしています。

特に「X350」は、ハーレーダビッドソンの市販車としては最小クラスの排気量である353ccのエンジンを搭載しており、日本国内では普通自動二輪免許で運転可能です。これにより、これまで大型免許が必要だったハーレーダビッドソンのバイクが、より多くのライダーにとって手の届く存在となりました。
また、価格設定も魅力的で、「X350」は69万9800円、「X500」は83万9800円と、同クラスの国産車と比較しても競争力のある価格帯となっています。これにより、ハーレーダビッドソンは新たな顧客層の獲得を目指しています。
デザイン面では、「X350」は1970年代のフラットトラックレースで活躍した「XR750」を彷彿とさせるトラッカースタイルを採用し、「X500」はクラシックなスポーツスターのスタイルに近いアメリカンロードスタースタイルを採用しています。

これらのモデルは、ハーレーダビッドソンの伝統を受け継ぎながらも、現代のライダーのニーズに応える新しい選択肢として注目されています。今後、これらのモデルがどのように市場に受け入れられていくのか、非常に興味深いところです。
【徹底比較】X350 vs X500|スペックから見る最適なハーレーの選び方
ハーレーダビッドソンの新型モデル「X350」と「X500」は、従来の大型クルーザーとは一線を画すミドルクラスのバイクとして登場しました。どちらも魅力的なモデルですが、それぞれに異なる特徴があります。ここでは、エンジン性能や車体サイズ、重量、シート高、価格、燃費などの基本スペックを比較し、あなたに最適なモデルを見つけるお手伝いをします。
【エンジン性能比較】X350とX500のパワーとトルクを徹底解説
項目 | X350 | X500 |
---|---|---|
エンジン形式 | 水冷4ストローク並列2気筒 | 水冷4ストローク並列2気筒 |
総排気量 | 353cc | 500cc |
ボア×ストローク | 70.5×45.2mm | 69.0×66.8mm |
馬力 | 36 HP / 27 kW @ 8500 rpm | 47 HP / 35 kW @ 8500 rpm |
最大トルク | 31 Nm/ 7,000 rpm | 46 Nm/ 7,000 rpm |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | 常時噛合式6段リターン |
X350は軽快な吹け上がりが特徴で、街乗りや短距離のツーリングに適しています。一方、X500はより力強いトルクを発揮し、長距離のツーリングや高速道路での走行に向いています。
【サイズ・重量比較】X350とX500の取り回しやすさを検証
項目 | X350 | X500 |
---|---|---|
全長 | 2110mm | 2135mm |
トレール | 1410mm | 1485mm |
シート高 | 777mm | 820mm |
車両重量 | 195kg | 208kg |
X350は軽量で足つき性も良く、初心者や女性ライダーにも扱いやすい設計です。X500はやや大きめの車体で、安定感のある走行が可能ですが、シート高が高いため足つきには注意が必要です。
【選び方ガイド】X350とX500、あなたに最適なのはどっち?
ライダーのタイプ | おすすめモデル | 理由 |
---|---|---|
バイク初心者 | X350 | 軽量で扱いやすく、普通自動二輪免許で乗れるため |
女性ライダー | X350 | 低いシート高と軽量な車体で足つきが良好 |
街乗り中心のライダー | X350 | 軽快なハンドリングで市街地走行に最適 |
長距離ツーリング派 | X500 | 高い出力とトルクで高速道路でも余裕の走行が可能 |
ハーレーらしさを求めるライダー | X500 | クラシカルなデザインと力強い走行性能 |
X350は、初めてのハーレーとして最適なモデルであり、日常使いや短距離のツーリングに適しています。一方、X500は、よりハーレーらしい走行感とデザインを求めるライダーにおすすめです。
【デザイン比較】X350とX500のスタイルの違いと選び方
ハーレーダビッドソンの新型モデル「X350」と「X500」は、従来の大型クルーザーとは一線を画すミドルクラスのバイクとして登場しました。どちらも魅力的なモデルですが、それぞれに異なるデザインとスタイルの特徴があります。ここでは、X350とX500のデザインとスタイルの違いを詳しく解説し、あなたに最適なモデルを見つけるお手伝いをします。
【X350の魅力】フラットトラッカースタイルの特徴とデザイン
X350は、1970年代のフラットトラックレースで活躍した「XR750」を彷彿とさせるトラッカースタイルを採用しています。このデザインは、直線的でシンプルなラインが特徴で、軽快さとスポーティさを強調しています。
フロントには丸型のLEDヘッドライトを装備し、クラシックな雰囲気を演出しています。また、シートノーズと燃料タンクの後部が細く設計されており、ブレーキングやコーナリング時にバイクをしっかりとグリップできるようになっています。これにより、多くのライダーが停止時に足を地面にしっかりと着けることが可能です。
全体的にコンパクトで軽量なデザインは、都市部での取り回しやすさを重視した設計となっており、初心者や女性ライダーにも扱いやすいモデルとなっています。

【X500の魅力】クラシックなアメリカンスタイルの特徴と存在感
一方、X500は、ハーレーダビッドソンのスポーツスターモデルからインスピレーションを受けたクラシックなアメリカンロードスタースタイルを採用しています。このデザインは、力強さと存在感を兼ね備えており、伝統的なハーレーの魅力を感じさせます。
フロントには同じく丸型のLEDヘッドライトを装備し、クラシックな雰囲気を演出しています。また、シート幅とパッドの厚みが増しており、長距離のライディングでも快適性を提供します。ミッドフットコントロールとミッドライズハンドルバーにより、ライダーは中心に位置し、快適な姿勢でバイクを操作できます。
X500は、より大きな車体とエンジンを搭載しており、長距離ツーリングや高速道路での走行に適しています。また、クラシカルなデザインと力強い走行性能を求めるライダーにおすすめのモデルです。

【カラー&カスタム】X350・X500の色展開とカスタマイズの可能性
X350とX500の両モデルともに、以下の4色のカラーバリエーションが用意されています:
ドラマティックブラック
ダイナミックオレンジ
コズミックブルー
ホワイトパール
これらのカラーは、各モデルのデザインとスタイルを引き立て、ライダーの個性を表現するのに最適です。また、ハーレーダビッドソンは豊富な純正アクセサリーを提供しており、シートやハンドルバー、ミラーなどのカスタマイズが可能です。これにより、自分だけの一台を作り上げる楽しみも広がります。
X350は、初めてのハーレーとして最適なモデルであり、日常使いや短距離のツーリングに適しています。一方、X500は、よりハーレーらしい走行感とデザインを求めるライダーにおすすめです。最終的な選択は、あなたのライディングスタイルや目的に合わせて決めるのがベストです。
【走行性能比較】X350とX500のライディングフィールの違い
ハーレーダビッドソンの新型モデル「X350」と「X500」は、従来の大型クルーザーとは異なるミドルクラスのバイクとして登場しました。どちらも魅力的なモデルですが、走行性能やライディングフィールには明確な違いがあります。ここでは、X350とX500の走行性能とライディングフィールの違いを詳しく解説し、あなたに最適なモデルを見つけるお手伝いをします。

【X350の走行性能】軽快なハンドリングと街乗りでの魅力
X350は、353ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載し、最高出力36馬力/8500rpm、最大トルク31Nm/7000rpmを発揮します。車両重量は195kgで、シート高は777mmと低めに設定されており、足つき性が良好です。
このモデルは、軽快なハンドリングが特徴で、街乗りや短距離のツーリングに適しています。低速域での操作性が高く、初心者や女性ライダーにも扱いやすい設計となっています。
また、フロントには41mmの倒立フォークを採用し、リアにはプリロードと伸側減衰力調整が可能なモノショックを装備しています。これにより、路面からの衝撃をしっかりと吸収し、快適な乗り心地を提供します。
【X500の走行性能】力強い加速と長距離ツーリングでの安定感
X500は、500ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載し、最高出力47馬力/8500rpm、最大トルク46Nm/6000rpmを発揮します。車両重量は208kgで、シート高は820mmとやや高めですが、設計上、足つきの良さが考慮されています。
このモデルは、力強い加速と高速域での安定感が特徴で、長距離のツーリングや高速道路での走行に適しています。中低速域での扱いやすさも兼ね備えており、幅広いシーンで快適な走行が可能です。
また、フロントには50mmの倒立フォークを採用し、リアにはプリロードと伸側減衰力調整が可能なモノショックを装備しています。これにより、路面からの衝撃をしっかりと吸収し、快適な乗り心地を提供します。
【モデル選び】X350とX500、あなたに最適な一台は?
X350は、初めてのハーレーとして最適なモデルであり、日常使いや短距離のツーリングに適しています。一方、X500は、よりハーレーらしい走行感とデザインを求めるライダーにおすすめです。最終的な選択は、あなたのライディングスタイルや目的に合わせて決めるのがベストです。
どちらのモデルも魅力的な特徴を持っており、試乗してみることで自分に合ったバイクを見つけることができるでしょう。
【ライダー別おすすめ】X350とX500、最適なモデルの選び方
ハーレーダビッドソンの「X350」と「X500」は、従来のハーレーとは異なる新しい価値を提供するモデルとして登場しました。それぞれのスペックやデザインにはっきりとした個性があり、ライダーのスキルや目的に応じて向き・不向きが分かれます。
ここでは、「X350」「X500」それぞれがどんなライダーに適しているのかを、具体的にご紹介していきます。

【X350がおすすめ】初心者や街乗り重視のライダーに最適
バイク初心者・リターンライダー
X350の最大の特徴は、その扱いやすさです。軽量(195kg)でコンパクトなボディと、777mmという低めのシート高により、取り回しのしやすさは抜群。教習車両からのステップアップにも最適で、久しぶりにバイクに乗るリターンライダーにもおすすめです。
女性ライダー
女性ライダーにとって、足つきの良さと軽量さは非常に大きな安心材料です。X350は、両足がしっかりと地面に届く設計で、取り回しや押し引きも楽にこなせます。また、デザインも都会的でスタイリッシュなため、ファッション性を重視する方にもぴったりです。
街乗り・通勤ユースをメインに考えている人
X350は、低中速域でのレスポンスが良く、信号の多い市街地や渋滞のある通勤路でもストレスなく走行できます。燃費も約20km/L前後と経済的。ハーレーらしさを感じながらも、実用性重視で日常にバイクを取り入れたい方に最適です。
普通自動二輪免許所持者
X350は、排気量353ccで普通二輪免許で運転可能。大型免許をまだ取得していないけれど、ハーレーに乗ってみたいという方の夢を叶える1台です。

【X500がおすすめ】ツーリングやパワーを求めるライダーに最適
バイク中・上級者
X500はパワフルな500ccエンジンを搭載し、最高出力47馬力と中間トルクの厚みが魅力です。都市部からワインディング、高速道路まで幅広く対応でき、バイクの操作に慣れているライダーにこそ味わってほしい一台です。
長距離ツーリングを楽しみたいライダー
X500は安定感が高く、サスペンションの剛性も高いため、高速走行や長距離移動に適しています。シート幅も広めで座り心地が良く、疲労を感じにくいのが特長です。週末のツーリングや旅行をバイクで楽しむ方には理想的です。
“ハーレーらしさ”を求める人
X500のデザインは、スポーツスターやストリート系ハーレーを意識したクラシカルなスタイルで、迫力ある存在感があります。「乗る楽しみ」と「所有する喜び」の両方を味わいたいという方におすすめです。
カスタムを楽しみたい人
X500は外装やハンドル、シートなどカスタムパーツも増えてきており、自分だけのスタイルを追求したい人にとって楽しみが広がります。ハーレーならではの「育てるバイク」としての魅力を体験できます。
【早見表】ライダータイプ別のおすすめモデル一覧
ライダータイプ | おすすめモデル | 理由 |
---|---|---|
初心者 | X350 | 軽量・コンパクトで扱いやすい |
女性ライダー | X350 | 低シート&取り回しやすさが魅力 |
街乗り・通勤メイン | X350 | 経済的で取り回しも楽々 |
普通二輪免許しか持っていない人 | X350 | 大型免許不要でハーレーに乗れる |
中級〜上級ライダー | X500 | エンジンパワーと走行性能が高い |
ツーリング重視の人 | X500 | 高速走行でも安定、快適性◎ |
クラシックなデザインが好み | X500 | ハーレーらしさと所有感を味わえる |
カスタムを楽しみたい人 | X500 | 素材としての魅力が高い |
X350とX500、それぞれに異なる個性と魅力があります。重要なのは、自分のライディングスタイルや用途に合ったモデルを選ぶことです。どちらもハーレーダビッドソンの名に恥じない素晴らしい仕上がりとなっていますので、ぜひ試乗してその魅力を体感してみてください。
【購入前チェック】X350とX500の維持費・メンテナンス・カスタム性を比較
ハーレーダビッドソンの新型ミドルクラスモデル「X350」と「X500」は、手頃な価格とスタイリッシュなデザインで注目を集めています。しかし、購入後の維持費やメンテナンス、カスタマイズの可能性など、長く付き合うためには事前の検討が重要です。ここでは、X350とX500の維持費やメンテナンスの違い、カスタマイズ性について詳しく解説します。
【維持費比較】X350とX500のランニングコストとメンテナンス性
X350の維持費とメンテナンス
X350は、比較的維持費を抑えやすいモデルです。車両本体価格は約70万円で、諸費用を含めた乗り出し価格は約80万円となります。
燃料費:ハイオクガソリンを使用し、燃費は約22km/L。年間走行距離が12,000kmの場合、燃料費は約92,727円となります(ハイオク170円/Lで計算)。
定期メンテナンス費用:年間約10,000~20,000円が目安です。
保険料:年間約30,000~50,000円程度。
X350は、軽量でコンパクトな設計のため、メンテナンスも比較的容易です。ただし、輸入車であるため、部品交換費用やメンテナンス費用が国内メーカーのバイクより高くなる可能性があります。
X500の維持費とメンテナンス
X500は、X350よりも高出力な500ccエンジンを搭載しており、車両本体価格は約84万円です。乗り出し価格は約100万円となります。
燃料費:ハイオクガソリンを使用し、燃費は約20km/L。年間走行距離が12,000kmの場合、燃料費は約102,000円となります(ハイオク170円/Lで計算)。
定期メンテナンス費用:車検費用が必要になるため、年間約15,000~25,000円が目安です。
保険料:年間約40,000~60,000円程度。
X500は、パワフルなエンジンと高性能なサスペンションを備えており、長距離ツーリングや高速道路での走行に適しています。ただし、電子制御部分や冷却系のメンテナンスには注意が必要です。
【カスタム性比較】X350とX500のカスタマイズ可能性とパーツ事情
X350のカスタマイズ性
X350は、比較的新しいモデルながら、カスタムパーツの展開が進んでいます。特に、エンデュランスやHDパーツなどの国内パーツメーカーから、以下のようなパーツが販売されています。
メーターバイザーセット:ショートやロング、クリアやスモークなど、好みに合わせて選択可能。
リヤキャリア:最大積載量8kgで、荷物の積載に便利。
サイドバッグサポートセット:サイドバッグの巻き込み防止に効果的。
エンジンガード:転倒時のダメージを軽減。
フェンダーレスキット:リア周りをスッキリとした印象に。
これらのパーツは、無加工で取り付け可能なボルトオン設計が多く、初心者でも比較的簡単にカスタマイズを楽しめます。
X500のカスタマイズ性
X500も、カスタムパーツの展開が進んでおり、HDパーツなどから以下のようなパーツが販売されています。
スリップオンマフラー:S&S Grand Nationalなど、音質やパフォーマンスの向上が期待できます。
ヘッドライトリロケーションブラケット:ヘッドライトの位置を調整し、個性的なフロントフェイスに。
リアウィンカー取付けキット:リア周りのカスタマイズに最適。
ETCアンテナブラケット:ETCの取り付けをスマートに。
X500は、よりハーレーらしいカスタマイズを楽しみたいライダーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
【最終比較】X350とX500、あなたに最適な選択は?
項目 | X350 | X500 |
---|---|---|
車両本体価格 | 約70万円 | 約84万円 |
乗り出し価格 | 約80万円 | 約100万円 |
燃費(実測値) | 約22km/L | 約20km/L |
年間燃料費(12,000km走行) | 約9万円 | 約10万円 |
年間メンテナンス費用 | 約1~2万円 | 約2~3万円 |
年間保険料 | 約3~5万円 | 約4~6万円 |
カスタマイズ性 | 高い(初心者向けパーツが豊富) | 高い(本格的なカスタムパーツが充実) |
おすすめのライダー | 初心者、女性ライダー、街乗り中心の方 | 経験者、ツーリング志向、カスタムを楽しみたい方 |
X350は、初めてのハーレーとして、またはセカンドバイクとして最適なモデルです。維持費も比較的抑えやすく、カスタマイズも手軽に楽しめます。
一方、X500は、よりハーレーらしい走行感とデザインを求めるライダーにおすすめです。長距離ツーリングや本格的なカスタマイズを楽しみたい方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
【生産地の真実】X350・X500の製造国と品質への影響
ハーレーダビッドソン X350およびX500の生産国は中国です。これは従来のハーレーのイメージ(=アメリカ製)とは異なる点として、特に注目されています。

【製造元情報】QJモーターによるXシリーズの生産背景
Xシリーズの製造は、ハーレーダビッドソンと中国の大手バイクメーカー「QJモーター(Qianjiang Motorcycle/錢江摩托)」との共同開発によって行われています。QJモーターは、ベネリ(Benelli)というイタリアの有名ブランドを傘下に持つ巨大グループで、技術力も非常に高いことで知られています。
このXシリーズは、主にアジア市場向けとして設計・開発されたグローバル戦略モデルであり、「コストと性能のバランス」「若年層の取り込み」が意図されています。
【ブランド解説】ハーレーダビッドソンと中国製モデルの関係
なお、ブランドとしては「アメリカのハーレーダビッドソン」であることに変わりありません。つまり、
設計や品質基準 → ハーレーダビッドソンが監修
生産ライン・製造 → 中国(QJモーター)
という役割分担になっています。
【市場影響】中国製Xシリーズが日本市場に与える影響
X350・X500が「中国製」という点について、日本のバイクファンの間ではさまざまな意見があります。ですが、以下のような評価も目立ちます:
「価格に対して装備がしっかりしている」
「ハーレーらしさもちゃんと感じられる」
「初心者でも買いやすくなったのは良い」
そのため、「ハーレー=アメリカ製であるべき」という従来の価値観にとらわれず、新しい世代やこれからバイクに乗り始める層にとっては、“エントリーハーレー”として魅力的な存在になっているのです。
【製造国比較】中国製Xシリーズとアメリカ製ハーレーの違い
ハーレーダビッドソンと聞けば、多くの方が「アメリカ製」「大排気量」「重厚な鼓動感」などを思い浮かべるかと思います。しかし、X350・X500はそのイメージとは少し異なる、新世代のハーレーです。

以下に主な違いを表にまとめ、その後に項目ごとに詳しく解説していきます。
【比較表】中国製Xシリーズとアメリカ製モデルの主な違い
比較項目 | X350・X500(中国製) | アメリカ製ハーレー |
---|---|---|
生産国 | 中国(QJモーターが製造) | アメリカ(ミルウォーキー/カンザスなど)、タイ、インド |
エンジン形式 | 水冷 並列2気筒 | 空冷または水冷 Vツイン |
排気量のレンジ | 350cc/500cc | 883cc〜1923cc(ミルウォーキーエイトなど) |
車体重量 | 軽量(約195kg〜208kg) | 重量級(約250kg〜370kg) |
ハーレーらしさの方向性 | デザインでハーレー感を演出 | 走り・鼓動・サウンド・存在感そのものが特徴 |
想定ユーザー層 | 初心者・若者・女性ライダー・都市ユーザー | 中~上級者・長距離志向・伝統的ハーレーファン |
車両価格帯 | 約70〜84万円 | 約190〜600万円 |
音・鼓動感 | 滑らかで高回転型 | ドコドコとした低回転トルク重視の鼓動感 |
カスタム文化 | 発展途上(国産パーツ業者が対応開始) | 長年の歴史とノウハウ、パーツ無限大 |
【品質比較】生産国による品質の違いとその影響
X350・X500は中国のQJモーター製ですが、設計・品質管理はハーレーが担当しているため、一定の基準は満たしています。ただし、
「アメリカ製であること」にブランド価値を感じる人
ハーレーの生産背景や文化にこだわる人
にとっては“Made in China”という点が購入の障壁になることもあります。
一方、アメリカ製のハーレーは今もなおミルウォーキー工場などで生産されており、クラフトマンシップや伝統を重視するファンに支持されています。従来から日本やアジア向けの車種(48やNightster Specialなど)はタイなどでも生産されており、品質は十分に管理されています。
【走行比較】エンジン性能とライディングフィールの違い
Xシリーズは水冷の並列2気筒で、比較的高回転で滑らかな加速感が特徴です。排気音も控えめで、日本の交通事情にマッチしやすい仕上がりとなっています。
対してアメリカ製ハーレーは、Vツインエンジンを採用。鼓動感・サウンド・トルク重視で「これぞハーレー」と呼ばれる独特の世界観を持っています。
【コスト比較】価格帯と維持費の違いを徹底解説
X350:69万9800円
X500:83万9800円
この価格帯は、国産中型バイクに匹敵するほどの「買いやすさ」です。さらに維持費も軽く、車検不要なモデルもあるため、初めてのハーレー体験として非常にハードルが低いです。参考にホンダのGB350 Cは66万8800円、レブル 500 は92万4000円です。
一方のアメリカ製ハーレーは250万円以上の車種が多く、重量や排気量の都合で維持費もそれなりにかかりますが、それが“本物のハーレー”に乗る代償ともいえるでしょう。
【カスタム比較】カスタマイズの自由度とパーツ入手性
アメリカ製モデルは、カスタム文化そのものが成立しており、パーツの種類・ノウハウ・ショップの数も圧倒的。中古パーツ市場やサードパーティ製品も豊富で、「自分だけの一台」を作り上げる楽しみがあります。
X350・X500はまだ新しいため、パーツは今後の発展に期待する段階です。ただし、日本のパーツメーカー(HDパーツ、デイトナなど)が徐々に対応を始めており、カスタムベースとしての可能性も広がりつつあります。
【最適モデル診断】あなたに合ったハーレーはどちら?
求めるもの | 選ぶべきモデル |
---|---|
初めてのハーレー・取り回しのしやすさ | X350/X500 |
見た目も走りも“本物のハーレー” | アメリカ製モデル |
維持費・導入コストを抑えたい | X350(またはX500) |
カスタムや所有感を楽しみたい | アメリカ製モデル |
通勤や街乗り中心、気軽に乗りたい | X350 |
長距離・週末ツーリングに出かけたい | X500または大型モデル |
「ハーレーはアメリカ製」というイメージは根強いですが、X350・X500の登場により、その枠組みは大きく広がりました。“乗る人を選ばないハーレー”として、Xシリーズは新たな時代を切り拓いているといえるでしょう。
【まとめ】X350とX500の特徴とおすすめポイント総括
ハーレーダビッドソンの新型ミドルクラスモデル「X350」と「X500」は、それぞれ異なる魅力を持ち、ライダーのニーズに応じた選択が可能です。ここでは、両モデルの特徴を整理し、あなたに最適なバイク選びの参考となる情報を提供します。
【X350総括】特徴とおすすめポイントのまとめ
軽量で扱いやすい:車両重量195kg、シート高777mmと、取り回しが容易で初心者や女性ライダーにも適しています。
普通自動二輪免許で乗れる:排気量353ccのため、大型免許を取得せずにハーレーを楽しめます。
経済的な維持費:燃費は約22km/Lと良好で、年間の維持費も抑えられます。
都市部での走行に最適:軽快なハンドリングとコンパクトなサイズで、街乗りや通勤に適しています。
【X500総括】特徴とおすすめポイントのまとめ
力強い走行性能:排気量500ccのエンジンは、最高出力48PS、最大トルク46Nmを発揮し、高速道路や長距離ツーリングでも余裕の走りが可能です。
クラシカルなデザイン:スポーツスターやXR750を彷彿とさせるデザインで、ハーレーらしさを感じられます。
カスタマイズの幅が広い:多様なカスタムパーツが展開されており、自分好みの一台に仕上げる楽しみがあります。
ツーリング志向のライダーに最適:安定した走行性能と快適な乗り心地で、長距離移動を快適にこなせます。

X350は、初めてのハーレーとして、またはセカンドバイクとして最適なモデルです。維持費も比較的抑えやすく、カスタマイズも手軽に楽しめます。
一方、X500は、よりハーレーらしい走行感とデザインを求めるライダーにおすすめです。長距離ツーリングや本格的なカスタマイズを楽しみたい方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
どちらのモデルも魅力的な特徴を持っており、試乗してみることで自分に合ったバイクを見つけることができるでしょう。