大型二輪の教習では、独特の挑戦と魅力があります。この記事では、大型バイクにおけるアクセル全開のスリル、フルブレーキの技術、そして初心者が直面する恐怖とその克服方法について詳しく解説しています。
読者は、大型バイクの加速と制御の要点を学び、実際の運転に役立てることができます。この知識を身に付けることで、バイクの運転をより安全で楽しいものに変えることが可能です。
大型バイクを操ることの醍醐味は、そのパワフルな加速力と、瞬間的に停止する急ブレーキの技術にあります。特に大型二輪の教習所では、この二つの要素が重要な訓練ポイントとなります。
今回は、直線距離30メートルの区間を使って、アクセル全開から40km/h以上の速度に達した瞬間にフルブレーキをかける訓練の体験を紹介します。この訓練により、大型バイクの圧倒的な加速力と、その力を制御するブレーキ技術の重要性を理解できます。
大型バイクで教官と二人乗りは照れる
第二段階の教習2時限目では、検定用コースの「NO.2」の走行を学びました。教官が運転し、私は後部座席に乗りながら、コースの詳細な説明を受けました。
バイクでの二人乗りは、男性同士では少し照れ臭さがあります。
バイクの後席に乗り、つかまるために教官の肩に手を置くときは、なぜか緊張し恥ずかしくなります。照れながらも、大型バイクの操作技術を学ぶことに集中しました。
検定用コースの「NO.2」を二人乗りで走りながら、ウィンカーのタイミング、走行ライン、ギアの段数などを丁寧に教えてくれました。大型二輪の教習では、第二段階になると検定用コースを繰り返し走ります。
「迷子のニワトリ」からの脱却
大型バイクの第二段階の教習では、時には「迷子のニワトリ」のような状況に陥ることもあります。
卒業検定用のコースを覚えられずに、教習所内で右往左往し、迷子になってしまうのです。これは、特に初心者にとっては、一般的な経験です。教官と一緒に二人乗りを経験した後、いざ一人でコースを走行すると、思いのほか走行コースの前半部分しか記憶に残っていないことに気付きます。曲がるべき次の場所が分からなくなり、教習所内で進むべき方向を失ってしまうのです。
ことわざに「ニワトリは3歩歩くと忘れる」というものがありますが、バイクに乗っている自分がまるでそのニワトリのように感じられた瞬間です。焦りながら、キョロキョロと周囲を見渡してゆっくり走るうちに、教官が素早く駆けつけてきます。「もう少し、ちゃんと走りましょう」という彼の厳しい目つきに、さらに緊張が高まりました。
しかし、完全にコースを忘れてしまっている状況では、まともに走行することは難しいです。それでも、何度か試行錯誤を繰り返した後、次の段階である「急制動・急ブレーキ」の教習に移行しました。これは大型二輪教習の第7時限にあたり、バイクの操縦における重要なスキルの一つです。この経験を通じて、大型バイクを操る上での集中力の重要性や、未知の状況に対する対応力を養うことができました。
大型バイクで「アクセル全開」の衝撃体験
大型バイクの醍醐味の一つに、その圧倒的な加速力があります。
特に、二輪専用コースでの直線50メートルの区間は、この感覚を存分に味わう絶好の機会です。アクセルを全開にし、2速ギアで40km/h以上に達したら3速にシフトアップします。この瞬間、バイクはまるで別次元のスピード感を演出します。そして、50メートル先の脇に設置されたパイロンを通過した瞬間、前輪と後輪の両方でフルブレーキングを実行します。緊急停止の訓練であるため、この時はクラッチを使用せず、エンジンストールしても問題ありません。
初めての挑戦では、多くの人が怖さからパイロンの手前で早めにブレーキをかけ、反射的にクラッチを切り、ギアを1速に入れてしまうことがあります。私もその一人で、かなり手前でゆっくりと停止してしまいました。教官からは「これでは普通の停止です。緊急ブレーキではないですね」と笑いながら言われました。それでも3回目の試みで、緊急ブレーキの技術を完璧にマスターしました。
アクセル全開での750cc大型バイクの加速は、言葉では表現しきれないほどの快感を提供します。エンジンの回転数が急上昇し、太いトルクで一気に加速する感覚は、飛行機が離陸する瞬間に似ています。250ccクラスのバイクも鋭い加速を誇りますが、大型バイクの迫力は格別です。この体験を通じて、大型バイクの持つ独特の「加速感」の魅力を改めて実感しました。大型バイクは、驚異的な加速力という魅力を持つ、独特の乗り物です。
初心者にとっての「アクセル全開」
大型バイク初心者にとって、「アクセル全開」という経験は、しばしば恐怖の対象となります。私自身、若い頃、バイクに乗っていた経験があるため、アクセルを全開にしたときのスリルは極めて楽しいものでした。加速の快感は、言葉では表現しきれないほど感動します。
しかし、初心者の段階では、「アクセル全開」に踏み切るのが非常に難しいと感じる人もいます。彼らは恐る恐るアクセルを開ける傾向があり、このためらいは大型バイクの潜在的なパワーに対する恐怖から来ていると思われます。実際、教習所の短い直線部分でさえ、大型バイクをアクセル全開にすると、時速40km/h以上に簡単に達することができます。万が一衝突や転倒をしてしまった場合、重大な怪我につながる恐れがあるため、この恐怖感は理解できます。
それにもかかわらず、アクセル全開での加速感を体験することは、バイク乗りとして非常に重要なことです。その独特のスリルと快感は、バイク乗りにとって忘れがたい経験となるでしょう。
