ホンダの「モンキー50cc」は、その愛らしいデザインとコンパクトなボディで長年にわたり多くのライダーに愛されてきました。しかし、2017年に生産終了が発表され、多くのファンに衝撃を与えました。「なぜモンキーは生産終了したのか？」、「中古市場での価格はどうなっているのか？」、「後継モデルはあるのか？」など、気になるポイントは数多くあります。
本記事では、モンキー50ccの歴史や生産終了の背景、そして市場での価格変動について詳しく解説します。さらに、ホンダが生産終了後に投入した「モンキー125」や、モンキーに似たスタイルの類似バイクも紹介。現在モンキーを手に入れたいと考えている方や、これからの二輪業界の動向に興味がある方にとって、役立つ情報をお届けします。
時代が変わっても、モンキーの魅力は色あせません。今後の市場の動きや、ホンダの新たな展開にも注目しながら、モンキーの進化を追っていきましょう！
ホンダ モンキーの魅力と歴史：50年以上愛される理由
ホンダ「モンキー50」は、1967年に発売されて以来、50年以上にわたって多くのバイクファンに愛されてきたミニバイクです。コンパクトな車体と独特のデザインが特徴で、日本国内だけでなく海外でも人気を集めました。特に、折りたたみ可能なハンドルや小径のタイヤ、愛らしい丸みを帯びたデザインは、他のバイクにはない個性的な魅力を持っています。
もともとは、ホンダが運営していた遊園地「多摩テック」のアトラクション用に開発された「Z100」というバイクが原型でした。それが好評だったため、公道仕様に改良され、1967年に「モンキーZ50M」として発売されました。以来、改良を重ねながら、排ガス規制への対応や性能向上を図り、長く生産が続けられてきました。
モンキーの特徴は、その小さな車体ながら走行性能もしっかりしている点です。50ccエンジンを搭載しながらも、街乗りはもちろん、カスタムによってオフロード走行も楽しめる仕様にできる点が、多くのライダーに支持されてきました。また、カスタムパーツが豊富で、自分好みにアレンジできる自由度の高さも人気の理由の一つです。
さらに、モンキーは「遊び心のあるバイク」としての地位を確立し、多くのカスタム愛好家にとっては「自分だけのモンキーを作る」という楽しみを提供してきました。カラーリングやエンジンカスタム、サスペンションの変更など、さまざまなカスタムが可能で、唯一無二のバイクを作ることができる点が、多くのファンを引きつけました。
しかし、そんな長い歴史を持つモンキーも、2017年に50ccモデルが生産終了となりました。このニュースは多くのファンに衝撃を与え、「なぜモンキーが生産終了になったのか？」という疑問を抱く人が増えました。この記事では、モンキーの生産終了の理由やその背景、そして現在の市場動向について詳しく解説していきます。
ホンダ モンキーの進化：1967年からの歩み
ホンダ「モンキー50」は、1967年に誕生して以来、多くのライダーに愛されてきたミニバイクです。その独特のデザインとコンパクトなサイズは、日本国内だけでなく世界中のバイク愛好者に親しまれてきました。ここでは、モンキーの50年にわたる進化の歴史を振り返ります。
初代モンキーZ50M誕生：1967年の革新
モンキーの歴史は、ホンダが運営していた遊園地「多摩テック」のアトラクション用バイク「Z100」にまで遡ります。Z100が大人にも好評だったことを受けて、公道仕様の「モンキーZ50M」が1967年に発売されました。
Z50Mは、50ccの4ストロークエンジンを搭載し、コンパクトで扱いやすい車体が特徴です。また、折りたたみ式のハンドルを採用し、自動車のトランクに収納できる仕様となっていたため、持ち運びにも便利でした。
1970年代のモンキー：進化と人気の拡大
1974年には、モンキーにスイングアーム式リアサスペンションが追加された「Z50J」が登場し、より快適な乗り心地を実現しました。また、この頃からカスタム文化が発展し、多くのライダーが自分だけのモンキーを作る楽しみを見出すようになりました。
1978年には「Z50J-I」が発売され、燃料タンクの形状が変更されるなど、デザイン面でも進化を遂げました。この頃には、モンキーは「小さいけれど本格的なバイク」としての地位を確立し、多くのバイクファンに支持されました。
1980～90年代のモンキー：多様なモデルの展開
1981年には、デザインを一新した「モンキーR」が登場しました。よりスポーティーな外観と、5速ミッションを採用し、走行性能が向上しました。この時代のモンキーは、単なるミニバイクではなく、走りを楽しむバイクとしての側面も強調されるようになりました。
1991年には、クラシックなデザインを復刻した「モンキーリミテッド」が発売され、従来のファンだけでなく、新たなユーザー層にもアピールしました。
2000～2010年代のモンキー：環境規制とモデルチェンジ
2004年には排ガス規制に対応するため、FI（フューエルインジェクション）を搭載した「モンキーBAJA」が登場しました。しかし、環境規制が強化される中、50ccモデルの存続が厳しくなっていきます。
2017年、ついに50ccのモンキーは生産終了となることが発表され、多くのファンが惜しみました。その後、排気量を125ccにアップした「モンキー125」が登場し、新たな世代のモンキーとして現在も生産が続いています。
モンキーは、50年以上にわたり時代の変化に適応しながら進化を続けてきました。その魅力は、単なる移動手段としてのバイクではなく、カスタムの楽しみや遊び心を提供する存在であったことにあります。
ホンダ モンキー50cc生産終了の真相と背景
ホンダ「モンキー」が生産終了に至った背景には、主に排ガス規制の強化と、それに伴う技術的およびコスト的な課題が存在します。特に、小排気量車において新たな排出ガス規制をクリアすることが技術的にもコスト的にも非常に困難であったことが、生産終了の主な理由とされています。
排ガス規制強化がもたらした影響
近年、環境保護の観点から、二輪車に対する排ガス規制が世界的に強化されてきました。日本国内でも、欧州のEURO4規制に相当する「エミッション3次規制」が導入され、二輪車の排出ガス基準が厳格化されました。これにより、従来の技術では新たな基準を満たすことが難しくなりました。
小排気量バイクが直面した技術的課題
50ccクラスの小排気量エンジンは、エンジン自体が小型であるため、排出ガスを浄化するための触媒装置や電子制御燃料噴射装置（FI）などの先進的な排ガス低減技術を搭載するスペースが限られています。また、これらの技術を導入することで、車両全体の重量増加や性能低下のリスクも伴います。さらに、エンジンの小型化と同時に排出ガスを削減する必要があり、バイクは構造上、排気量が少なくても高出力を求められるため、低コストで環境性能を向上させる技術革新が不可欠です。
生産コスト上昇の課題
新たな排ガス規制に適合するための技術を小排気量車に導入するには、多大な開発費用が必要となります。しかし、50ccクラスのバイクは価格競争力が求められるカテゴリーであり、製造コストの増加は販売価格の上昇につながります。これにより、消費者の購買意欲が低下し、市場縮小を招く可能性があります。そのため、メーカーにとっては、投資に見合った収益を確保することが難しくなります。
ホンダが下した生産終了の決断
これらの技術的およびコスト的な課題を総合的に考慮し、ホンダは50ccの「モンキー」の生産終了を決断しました。これは、50年以上にわたり愛され続けてきたモデルの終焉を意味し、多くのファンにとって衝撃的な出来事でした。しかし、環境規制の強化と技術的な制約の中で、やむを得ない決断であったと言えます。
ホンダ モンキー50cc生産終了後の市場動向と価格高騰の理由
ホンダ「モンキー」は、2017年の50ccモデル生産終了後も、根強い人気を誇っています。中古市場では価格が高騰し、プレミアム価格がついているケースも少なくありません。特に、限定モデルや希少なカスタム車両は驚くほどの高値で取引されています。ここでは、生産終了後のモンキーの市場動向、価格変動の要因、そしてプレミアム価格がついた事例について詳しく解説します。
中古市場におけるモンキーの価格推移
モンキー50ccモデルが生産終了した後、その希少性と人気の高さから中古市場での価格は大幅に上昇しました。もともと手頃な価格で楽しめるミニバイクとして親しまれていたモンキーですが、現在では50ccモデルがプレミアム価格で取引されるケースが増えています。
価格の推移
生産終了直後の2018年、モンキーの中古価格は急上昇しました。例えば、オークションサイト「ヤフオク！」では、2018年3月の平均落札価格が約14.5万円だったのに対し、5月には約16.6万円まで上昇しています。また、バイク買取業者による査定額も同様に上昇傾向を示しています。
2022年時点では、モンキー50（2006年の40周年記念モデル）の中古相場は約44万円、モンキー50（2009～2017年モデル）では約49.4万円と、通常の50ccバイクとしては異例の高価格を維持しています。
価格が上昇した理由
モンキーの価格が上昇した主な理由は、以下の3点が挙げられます。
- 生産終了による希少性の向上
モンキー50ccはもう新車では手に入らないため、状態の良い個体が希少となり、市場価値が上昇しました。 - カスタム需要の高まり
モンキーはカスタムパーツが豊富に揃っているため、自分好みに改造する楽しみがあります。そのため、カスタムベースとしての需要が高まり、中古市場でも人気が衰えません。 - コレクターズアイテムとしての価値
モンキーは50年以上の歴史を持ち、多くのバイクファンにとって特別な存在です。特に記念モデルや限定車は、コレクターズアイテムとしての価値が高まり、高額で取引されることがあります。
プレミアム価格となったモンキーの事例
モンキー50ccの中古市場では、通常の価格よりもはるかに高額で取引されるケースが増えています。特に、特別仕様のモデルやカスタム車両では、200万円を超える価格がつくこともあります。
希少モデルの価格事例
モンキー50周年記念モデル（2017年発売）
2017年に発売された50周年記念モデルは、限定1800台という希少性から、新車価格35万2080円にもかかわらず、中古市場では100万円を超えることもあります。発売当初から予約が殺到し、即完売したため、現在では入手が非常に困難です。
CBX400F仕様のカスタムモンキー
カスタムモンキーの中には、フルカスタムが施され、200万円以上の価格がついた事例もあります。例えば、ホンダCBX400Fの外装キットを装着したカスタムモンキーは、2019年時点で200万円を超える価格で取引されたことが確認されています。
リミテッドエディションや特別カラーリングモデル
モンキーには、40周年記念モデルやリミテッドエディションなど、特別仕様車がいくつか存在します。これらは通常のモンキーよりも生産台数が限られており、その希少性から中古市場では高額で取引されることが一般的です。
モンキーの市場価値の未来予測
ホンダ「モンキー」は生産終了後も高い人気を誇り、価格は上昇し続けています。特に、状態の良い個体や希少モデルは、今後さらに価値が高まる可能性があります。モンキーは単なるバイクではなく、多くのライダーにとって思い入れのあるコレクターズアイテムとなっているため、その魅力が失われることはありません。
今後、排ガス規制のさらなる強化や電動バイクの普及によって、旧車の価値はますます上がることが予想されます。モンキーを手に入れたいと考えている人は、今のうちに購入を検討するのが良いかもしれません。
ホンダ モンキー125とおすすめの類似バイク紹介
ホンダ「モンキー50cc」の生産終了後、ファンの間では「次に乗るべきバイクは？」という声が多く聞かれるようになりました。ホンダはモンキーのDNAを継承しつつ、環境規制にも対応した新モデルを開発しました。それが2018年に登場した「モンキー125」です。また、他メーカーからもモンキーに似たスタイルを持つバイクが登場し、選択肢は広がっています。ここでは、モンキーの後継モデルと、類似バイクについて詳しく紹介します。
ホンダ モンキー125：50ccからの大幅進化
モンキー50ccの生産終了に伴い、2018年に登場したのが「モンキー125」です。
モンキー125の特徴
モンキー125は、見た目こそ従来のモンキーを踏襲していますが、エンジンや車体サイズなどが大幅に変更されています。
モンキー50 vs モンキー125 仕様の比較
| 項目 | モンキー50 | モンキー125 |
|---|---|---|
| 排気量 | 49cc | 123cc |
| エンジン | 空冷4ストローク単気筒 | 空冷4ストローク単気筒 |
| 最大出力 | 3.4PS / 8,500rpm | 9.4PS / 6,750rpm |
| ミッション | 4速 | 5速 |
| 燃料供給方式 | キャブレター（後期はFI） | PGM-FI（フューエルインジェクション） |
| 全長（mm） | 1,365 | 1,710 |
| 全幅（mm） | 600 | 755 |
| 全高（mm） | 850 | 1,030 |
| シート高（mm） | 660 | 776 |
| 車両重量 | 68kg | 104kg |
| 価格帯（新車） | 352,080円 | 451,000円 |
モンキー125は、50ccモデルの可愛らしいデザインを継承しつつ、排気量をアップすることで街乗りからツーリングまで対応可能なバイクに進化しました。また、フューエルインジェクション（FI）を搭載し、最新の排ガス規制にも対応。さらに倒立フロントフォークや前後ディスクブレーキなど、走行性能や安全性も向上しています。
「50ccの可愛らしさが好きだった」という声もありますが、モンキー125はエンジンパワーの向上により、より幅広いシーンで楽しめるバイクへと進化しました。
モンキーの代替候補：おすすめの3台
モンキー50ccが生産終了したことで、「他に似たバイクはないのか？」と考えるライダーも多いでしょう。ここでは、モンキーの雰囲気を持ちつつ、異なる魅力を備えたバイクを紹介します。
ホンダ「グロム」｜スポーティーなミニバイク
ホンダの「グロム」は、モンキー125と同じ124ccエンジンを搭載しながら、よりスポーティーなデザインと走行性能を備えたミニバイクです。
特徴：フルデジタルメーター、倒立フォーク、前後ディスクブレーキ
価格：390,500円
おすすめポイント：モンキーよりもアグレッシブなスタイルで、カスタムパーツも豊富
カワサキ「Z125 PRO」｜ストリート志向のコンパクトバイク
カワサキの「Z125 PRO」は、ネイキッドスタイルのミニバイクで、モンキーとは異なる洗練されたデザインが特徴です。
特徴：4速マニュアル、スポーティーな外観、カワサキらしい加速感
価格：352,000円
おすすめポイント：ストリートで映えるデザインと軽快な走り
スズキ「GSX-R125」｜ミニサイズのフルカウルスポーツ
モンキーとは異なるジャンルですが、「小さくて速いバイクが欲しい！」という方には、スズキの「GSX-R125」も選択肢の一つです。
特徴：フルカウルスポーツ、DOHCエンジン、ABS標準装備
価格：453,200円
おすすめポイント：125ccながら本格的なスポーツバイクの乗り味を楽しめる
125ccでも変わらぬモンキーの魅力
モンキー50ccの生産終了は多くのファンにとって衝撃的でしたが、ホンダは125ccモデルとして進化させ、新しいモンキーを誕生させました。また、モンキーに似たスタイルや魅力を持つバイクも多く、ライダーの選択肢は広がっています。
「125ccになってもモンキーに乗り続けたい」という人にはモンキー125、「よりスポーティーなミニバイクがいい」という人にはグロムやZ125 PROが向いています。
自分のライディングスタイルに合ったバイクを見つけて、モンキーのような楽しさを味わってみてはいかがでしょうか？
ホンダ モンキー生産終了が示す二輪業界の未来
ホンダ「モンキー50cc」の生産終了は、多くのバイクファンに衝撃を与えました。しかし、これは単なる一つのバイクモデルの終焉ではなく、二輪業界全体が直面している大きな変化を象徴する出来事でもあります。本記事では、モンキーの歴史や生産終了の背景、市場動向、後継モデルについて詳しく解説してきました。ここでは、それらを踏まえ、モンキーの生産終了が示す二輪業界の現状と今後の展望について考察します。
モンキー50cc生産終了が示す二輪業界の現状
モンキーの生産終了の最大の要因は、排ガス規制の強化でした。近年、環境保護のため、世界各国で自動車やバイクの排出ガス基準が厳格化されており、日本でも「エミッション3次規制」などの影響で、従来の50ccエンジンの継続が困難になったのです。
この背景には、電動化の進展もあります。自動車業界ではEV（電気自動車）の普及が進み、バイク業界でも電動バイクへの移行が加速しています。ホンダはすでに電動バイクの開発を進めており、将来的にはモンキーのようなレトロなデザインの電動モデルが登場する可能性もあります。
また、若者のバイク離れも二輪業界の大きな課題となっています。50ccバイクはかつて若者の入門モデルとして人気でしたが、近年は免許制度の変更や経済的な理由から、新規ライダーの数が減少しています。そのため、メーカーも50ccモデルの新規開発を縮小し、より高排気量のモデルや、125ccクラスに注力する傾向が強まっています。
モンキー生産終了後の影響と未来展望
モンキーの生産終了後、中古市場では価格が高騰し、一部のモデルはプレミアム価格で取引されるようになりました。これは、モンキーのような小型でカスタム性の高いバイクの人気が根強いことを示しています。
一方で、ホンダはモンキー125を投入し、従来のモンキーファンを引きつけると同時に、新たなユーザー層の獲得にも成功しています。125ccクラスは、現在のバイク市場において最も成長しているセグメントの一つであり、モンキー125の登場は、二輪業界の「小型バイクの進化」を象徴するものと言えるでしょう。
さらに、今後は電動モンキーの可能性も考えられます。ホンダは電動バイクの開発を積極的に進めており、すでに「Honda e: ビジネスバイク」などの電動スクーターを市場に投入しています。モンキーのようなレトロなデザインを持つ電動バイクが登場すれば、新たなファン層を開拓する可能性があります。
モンキーの魅力：これからも続く物語
ホンダ「モンキー」は50ccモデルこそ生産終了しましたが、その魅力は色あせることなく、多くのバイクファンに愛され続けています。モンキー125として進化し、今後は電動化の流れの中でさらなる変化を遂げるかもしれません。
時代が変わっても、「モンキーに乗る楽しさ」は変わりません。生産終了後も価値が高まり続けるモンキー。これからも、その魅力は多くのライダーに受け継がれていくことでしょう。
