埼玉県秩父郡小鹿野町にある「小鹿神社(おしかじんじゃ)」をご存知でしょうか?ここは全国のライダーから「バイク神社」として親しまれ、聖地と崇められている特別な場所です。町全体で「ウエルカムライダーズ」を掲げ、バイク乗りを温かく歓迎してくれるこの町は、ツーリングの目的地として最高の環境が整っています。
本記事では、小鹿神社がなぜライダーに愛されるのか、その理由を深掘りします。転倒防止の願いが込められたユニークな「てんとう虫」のお守りや、境内のフォトスポット、そしてお腹も心も満たしてくれる絶品グルメ「わらじかつ丼」の情報まで、現地の魅力を余すところなくお伝えします。
また、都心からのアクセスルートや、走行時の注意点など、実用的な情報も網羅しました。初心者ライダーからベテランまで、次のツーリング計画に役立つ情報が満載です。安全祈願と美味しい食事、そして心地よい走りを求めて、小鹿神社へ走り出しませんか?
ライダー歓迎の町、小鹿野町にある「バイク神社」とは
埼玉県秩父郡小鹿野町(おがのまち)。
ここは、全国のライダーから「バイクの聖地」として親しまれている特別な場所です。
その中心にあるのが、今回ご紹介する小鹿神社(おしかじんじゃ)です。
なぜこれほどまでに多くのライダーがこの神社を目指すのか、その背景には町全体で取り組む温かい歓迎の姿勢があります。

町全体で取り組む「ウエルカムライダーズ」の精神
小鹿野町は、過疎化が進む町を活性化させるために「オートバイによるまちおこし」をいち早く掲げた自治体です。
通常の観光地では、バイクの騒音や駐輪場所の問題で肩身の狭い思いをすることもありますが、小鹿野町は違います。
「ウエルカムライダーズおがの」というキャッチフレーズのもと、ライダーを温かく迎え入れる体制が整えられているのです。
町内の飲食店や施設には、バイクスタンドが整備されていたり、ヘルメットを置くスペースが確保されていたりと、ライダー目線の配慮が随所に見られます。
小鹿神社へのツーリングは、単なる神社参拝ではなく、こうした「ライダーを歓迎してくれる町」の空気感を肌で感じる旅でもあります。

交通安全祈願のパワースポットとしての魅力
小鹿神社は、もちろんただの観光スポットではありません。
古くから地元の人々に信仰されてきた由緒ある神社です。
その歴史ある社殿の前で、愛車と共に交通安全を祈願できることが最大の魅力です。
神社の境内は、厳かな空気が漂いつつも、週末になれば多くのバイクが並ぶ独特の光景が広がります。
排気音を響かせて走ってきたライダーたちが、ヘルメットを脱ぎ、神妙な面持ちで手を合わせる姿は、この場所ならではの美しい光景です。
自分の身を守るだけでなく、愛車の安全も願うことができるため、納車されたばかりの新車で訪れるライダーも少なくありません。
絶対に手に入れたい!「てんとう虫」のお守りと鹿革グッズ
小鹿神社を訪れたら、必ずチェックしていただきたいのが授与品(お守り)です。
ここには、他の神社ではなかなか見かけない、ライダーの心に深く刺さるユニークなお守りがあります。

「転倒」を防止する?てんとう虫のお守りの秘密
小鹿神社で最も人気があるのが、「てんとう虫」がデザインされたお守りです。
一見すると可愛らしいデザインですが、ここにはライダーにとって切実な願いが込められています。
それは、「てんとう虫」=「転倒無視(てんとうむし)」、あるいは「転倒防止」という語呂合わせです。
バイク乗りにとって、転倒は最も避けたい事故の一つです。
愛車を傷つけたくない、怪我をしたくないという願いを、太陽に向かって飛ぶ縁起の良い虫であるてんとう虫に託しています。
このお守りをバイクの鍵につけたり、ジャケットのポケットに入れたりすることで、「転ばないように」という意識を常に持つことができます。
お土産としても非常に喜ばれるアイテムであり、これを目当てに遠方から訪れるライダーも後を絶ちません。

地元の特産品を活かした「鹿革」のお守り
もう一つ注目したいのが、鹿革で作られたお守りです。
小鹿野町はその名の通り、鹿に縁のある土地柄であり、古くから鹿革の加工が行われてきました。
鹿革は非常に柔らかく、かつ丈夫であることから、武具などにも使われてきた素材です。
小鹿神社では、この鹿革を使用した交通安全のお守りを頒布しています。
革製品は使い込むほどに味が出るため、長くバイクライフを共にするパートナーとして最適です。
プラスチックや布製のお守りとは一味違う、重厚感と温かみのある質感は、レザーウェアを愛用するライダーの美意識にもマッチします。
タンクバッグやキーホルダーに付けても傷がつきにくいという実用的なメリットもあります。

愛車をお祓いしてもらう手順と心構え
せっかくバイク神社に来たのなら、愛車そのものをお祓いしてもらいたいと考える方も多いでしょう。
小鹿神社では、バイクの交通安全祈願(車祓い)を受け付けています。
祈願を受ける際は、事前の予約が推奨されています。
特に土日祝日や、ツーリングシーズンの春・秋は混み合うことがあるため、計画が決まったら早めに神社へ連絡を入れるのがスマートです。
当日は、指定された場所にバイクを停め、社務所で受付を済ませます。
初穂料(料金)は一般的に5,000円程度からとなっていますが、予約時に確認しておくと安心です。
神職の方が大幣(おおぬさ)を振って、ライダー本人とバイクの四方を丁寧にお祓いしてくれます。
清められた愛車に再び跨る瞬間は、身が引き締まる思いがするはずです。
これからも安全運転で走ろう、という決意を新たにする良い機会となります。
境内の見どころと撮影時のマナー
小鹿神社はフォトジェニックなスポットとしても知られていますが、神社はあくまで神聖な祈りの場です。
マナーを守って気持ちよく過ごすためのポイントをご紹介します。

愛車と鳥居の記念撮影ポイント
多くのライダーが撮影を行うのが、神社の入り口にある立派な鳥居の前です。
ここにはバイクを並べて撮影できるスペースがあり、参拝の記念に一枚残すのが定番となっています。
背景に緑豊かな木々と厳かな鳥居、そして自分の愛車が収まる構図は、旅の思い出として最高の一枚になります。
ただし、ここは参道の入り口でもあります。
他の参拝者の通行を妨げないよう、撮影は手短に行い、譲り合いの精神を忘れないようにしましょう。
また、エンジンをかけたままの撮影や、不要な空ぶかしは厳禁です。
静謐な神社の雰囲気を壊さないよう、エンジンを切って取り回しを行うのがライダーとしてのマナーです。

静寂に包まれた境内の雰囲気を感じる
写真撮影を終えたら、ぜひゆっくりと境内を散策してみてください。
拝殿の彫刻は見事なもので、歴史を感じさせる重厚な造りになっています。
周囲を山々に囲まれているため、境内には心地よい静けさが漂っています。
ヘルメットを脱いで深呼吸をすると、山の澄んだ空気が体に入り込み、ツーリングの疲れを癒してくれます。
風の音や鳥のさえずりに耳を傾けながら、日常の喧騒を忘れてリフレッシュする時間は、走ることだけが目的ではない「大人のツーリング」の醍醐味と言えるでしょう。
小鹿野グルメの決定版「わらじかつ丼」を食す
小鹿野町を訪れたら、これを食べずに帰るわけにはいきません。
秩父・小鹿野エリアの名物グルメ「わらじかつ丼」です。
ツーリングの腹ごしらえにぴったりの、ボリューム満点な逸品をご紹介します。

丼からはみ出る迫力!わらじかつ丼とは
わらじかつ丼とは、その名の通り「草鞋(わらじ)」のような形をした大きな豚カツが、丼のご飯の上にどんと乗った料理です。
一般的なカツ丼のように卵でとじるのではなく、揚げたてのカツを甘辛い醤油ベースのタレにくぐらせてご飯に乗せるのが特徴です。
通常は2枚のカツが乗っており、これは「足のわらじ」にちなんで2足(2枚)となっていると言われています。
丼の蓋が閉まりきらないほど大きなカツは見た目のインパクトが抜群ですが、叩いて薄く伸ばしてあるため、意外と柔らかく食べやすいのが魅力です。
サクサクの衣に染み込んだ甘辛いタレがご飯と絶妙に絡み合い、箸が止まらなくなります。
行列必至の名店とバイク駐車情報
小鹿野町内には、わらじかつ丼を提供するお店が数多くあります。
中でも「安田屋」は元祖として知られ、休日には長蛇の列ができるほどの人気店です。
肉の旨味と秘伝のタレのバランスが絶妙で、並んででも食べる価値があります。
また、「東大門」という精肉店直営のレストランもライダーに人気です。
こちらには、通常のサイズを遥かに超える「メガわらじかつ丼」というメニューがあり、胃袋に自信のあるライダーたちが挑戦しています。
駐車場所については、多くのお店が駐車場を備えていますが、人気店は満車になることも珍しくありません。
しかし、小鹿野町には町営の無料駐車場が点在しており、そこから徒歩でお店に向かうことができます。
町営駐車場は広くて舗装されている場所も多いため、重量のある大型バイクでも安心して停めることができます。
無理に店の前の狭いスペースに停めようとせず、公営駐車場を利用するのがスマートです。
東京方面からの推奨ツーリングルート
これから小鹿神社へのツーリングを計画する方に向けて、走りやすさと楽しさを兼ね備えたおすすめのルートをご紹介します。

関越道・花園ICからの王道コース
都心からアクセスする場合、最も一般的なのは関越自動車道の「花園インターチェンジ」を利用するルートです。
花園ICを降りたら、国道140号線を秩父方面へ向かって南下します。
この国道140号線は、長瀞(ながとろ)などの観光地を通る主要道路で、道幅も広く整備されており、初心者でも安心して走ることができます。
秩父市内に入ったら、国道299号線へと進路を取り、小鹿野町を目指します。
道中にはコンビニやガソリンスタンドも点在しているため、休憩や給油のタイミングにも困りません。
山道に入る前の準備を整えながら、徐々に近づく山々の景色を楽しむことができるルートです。
国道299号線の走行注意ポイント
飯能方面から正丸トンネルを抜けて秩父・小鹿野へ向かう国道299号線ルートも、ツーリングライダーには人気があります。
適度なワインディングロードが続き、走る楽しさを味わえる道ですが、注意点もあります。
まず、交通量が比較的多く、トラックなどの大型車両も通行します。
無理な追い越しは避け、流れに乗って走ることが大切です。
また、山間部は天候が変わりやすく、路面温度が低い場所や、日陰が湿っている箇所もあります。
特に秋の落ち葉や、冬場の凍結防止剤(塩カル)が撒かれている時期はスリップに注意が必要です。
さらに、この路線は速度超過の取り締まりが頻繁に行われていることでも有名です。
気持ちよく走れる道だからこそ、スピードメーターをこまめに確認し、安全マージンを十分に取って走行してください。

あわせて立ち寄りたい周辺スポット
小鹿神社への参拝だけでは時間が余ってしまうという場合は、周辺のスポットへ足を延ばしてみましょう。
おすすめは「合角(かっかく)ダム」です。
小鹿神社からさらに奥へ進んだ場所にあり、静かな湖畔の風景を楽しむことができます。
「合角」が「合格」に通じることから、縁起の良いダムとしても知られています。
ダムサイトには広い駐車場があり、バイクを並べて写真撮影をするのにも適しています。
また、体力に余裕があれば、さらに足を延ばして「三峯神社(みつみねじんじゃ)」を目指すのも良いでしょう。
関東屈指のパワースポットとして知られる三峯神社は、標高の高い場所にあり、霧に包まれた幻想的な雰囲気を味わえます。
ただし、小鹿野町からはさらに1時間近く山道を走ることになるため、日没時間や天候を考慮して計画を立ててください。
まとめ
小鹿神社へのツーリングは、単に目的地へ行って帰ってくるだけでなく、ライダーとしての安全意識を高め、地域の人々の温かさに触れることができる素晴らしい体験です。

てんとう虫のお守りを手に入れ、わらじかつ丼でお腹を満たし、心地よい山道を走る。
そんな充実した一日は、明日からの仕事や生活への活力となるはずです。
初心者ライダーのデビュー戦としても、ベテランライダーの安全祈願としても、小鹿神社はすべての人を温かく受け入れてくれます。
今度の休日は、愛車と共に小鹿野町へ出かけてみてはいかがでしょうか。
安全運転で、良い旅を!
